日経225 先物をチェックするにはコレ
FRBも、日銀も、この重大性を十分に知り、その対処策をめぐらせた。
この約3年近く続いた愚策のなかで、FRBの策はどうにかその体裁を整えていたように見える。
とくにアメリカにおいては、NYダウが2000ドルから3700ドルに上昇し、金利は9パーセント台から6パーセントを割る水準にまで来た。
しかしその間、アメリカ経済は本当によくなっていたのだろうか。
そしてリストラクチャリング(事業の再構築)という名の治療法は、十分に効果を発揮したのだろうか。
自動車産業、コンピュータ産業は見る影もなくその姿を変えてしまったではないか。
結局、投資家の期待に応えるためのリストラが行われたにすぎないのだ。
いま、サブプライムショックの後、FRBはインフレ・リスクを冒してまでも、低金利政策を展開している。
すなわち、FF金利を半年で5.25パーセントから2.25パーセントまで低下させた。
ところが、バブル崩壊後(1990年)の日本政府はどうしたか?株価が17パーセントも下落しているにもかかわらず、逆に公定歩合を1パーセントも上げて5.25パーセントとしたのである。
初動の愚策が、その後の日本の運営をいかに困難にさせたか、その状況はご存じの通りである。
アメリカは国が潰れてもエリートと特権的な投資家のみが生き残れる国である。
「国のかたち」がそうなっている。
サブプライムにしても、証券化されてどれだけ全米に「被害」が拡大するかわからない。
だが、どんなにアメリカ経済が悪化しようが、マネーはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)などに移せば高いパフォーマンスが得られると考えているし、そのように動く投資家が少なくない。
だが、日本は、日本国債購入者のほとんどが日本人であることから考えても、国民と産業、そして国家が運命共同体なのではなかろうか。
ヨ−ロッパにおける通貨の暴落は、金利の高騰を伴って発生した。
自国の通貨を守るために、瞬間的に公定歩合を17パーセント以上も上げた国もあった。
市場は一度その方向を定めれば、その方向に走り始める。
国の意思、銀行、個人の意思にはおかまいなしに。
1993年、奈良の建設会社が倒産した。
いよいよ大本営は銀行を守るためのラッパを吹き始めたようだ。
アメリカでも「円高は困る」とFRBが言い始めた。
そして市場は、政府のコントロールから外れ始めたと実感している。
とうとう自由意思に支えられた市場と政府の最後の戦いが始まったのだ。
結論は見えている。
どの時代のどんな政府も自由意思には逆らえない。
決着は大恐慌だ。
これまでも自由意思経済は、戦争か恐慌かでそのひずみを何十年かに一度正してきた。
いよいよ歴史の必然が再び始まったと書いたらキザだろうか。
ともかく、戦争より静かな破壊が私たちの周りを包み始めている。
がらんどうのビルが林立する都市。
私たちはその都市から逃れられるのか。
この3年間に行われた金融政策は、いよいよ破綻を迎える。
その破綻の口火を切るのが見え始めている。
「もしかすると金融恐慌が来るかも……」と考える読者も少なくないと思う。
だが、それはちがう。
「すでに金融恐慌に突入している」と考えるべきである。
この本は、大変化は大チャンスだ、どんな時代になっても生き残るのだという意思で読んでいただきたいと思う。
どんな時代も歴史が続くかぎり、勝ち残る人々が現れる。
古代縄文人と弥生人もそのいい例だ。
ペストが流行したときも生き残った人々がいた。
どんな時でも、生き残る意思とその個性さえあれば、「大変動」は「大チャンス」に時代の混迷期に、いかに生きるべきか。
人生を決めるのは自分の心であり、自分の意思だと知ることである。大恐慌がなんだというのか。
歴史の必然は、勝ち残る人々の必然である。
勇気を持って戦っていただきたい。
勇気を持って日本型資本主義をつくってもらいたい。
そして勇気を持って国家と権威の崩壊を見届けていただきたい。
それが、資本市場を勝ち残ってきた人間からのメッセージである。
本書は、 N 讃券(現・ N 証券)、 M、S 証券での十数年にわたる私自身の体験のなかから、自分で見聞きし、また実際に体験したことを網羅している。
ここで私が主張したいことは、これから先、どんなに時代や景気が悪くなろうとも、あるいはよくなろうとも、それはあくまでも表面的なことにすぎないということである。
いい悪いを最終的に判断するのは、実際には自分自身しかいない。
自分の意思でしか決定することはできないのだ。
ということを、まず認識してほしい。
私はいままで、日本のみならず世界中のトップクラスの人々と公私ともに交わってきたが、彼らとつき合ってつくづく感じたことは、人間にとっていちばん大切なことは自由であり、人間性の発露であり、人間の人間たる情熱や生命であるということであった。
経済ビジネス書のなかで、こうしたことを強調することはいささか気が引けたが、巷間、あまりにも「不況が来る」「恐慌が世界を襲う」「日本経済の終罵」などと、暗い部分ばかりを取り上げた書物が多すぎる。
そのため、日本人全体に沈滞ムードが蔓延し、事実に振り回され、真実を見落としかねない風潮を懸念する。
いちばんの問題は、戦後、日本という国をつくってきた仕組みが「賞味期限切れにある」ということを国民がはっきりと認識し、そのために自信喪失に陥ったことではなかろうか。
バブル崩壊後、日本経済の根幹を揺るがす不祥事が次々に明らかになる。
すなわち、「 I 事件」「 F 銀行赤坂支店巨額不正融資事件」「 A 事件」などの金融不祥事である。
しかも、監督官庁の大蔵省は1995年に「ノーパンしゃぶしゃぶスキャンダル」「接待疑惑」などが明るみに出て、高級官僚のモラル低下が白日の下にさらされた。
また、J 党政権が崩壊し、N 党代表の H を中心とする野党連合の政権が成立する。
いまから考えれば、「大恐慌が日本を襲い、1ドル70円、日経平均株価が8000円になる」と主張するエコノミストたちが多いが、これらの事実を羅列するだけで、はたして読者の人生をどうしようというのだろうか。
私はいままで株式市場、為替、債券市場を通じて、何人もの成功者と失敗者を見てきた。
実際に成功と失敗の明暗を分けた要素は、必ずしもテクニカルな分析や合理的な判断ではない。
その最大の要因は、「人生を形成、構築したい」「自分は生き残るのだ」という強い意思があるかどうか、である。
それが成功を導き、いつの時代にも横たわる大困難を大チャンスに変えてきたのである。
そして大恐慌のなかから抜け出すことが、そのまま大チャンスにこれは事実の羅列ではなく、私自身の考え方である。
同じ太陽の絵を観ても、朝陽が昇っていると見る人と、夕陽の絵と見る人がいる。
大切なことは、実際はそれが夕陽であったとしても、陽が昇っていると見る気持ちを持つことなのである。
いずれにしても「事実を知る」ということと、「生き残る」ということとは明確に異なる。
「生き残る」という意思がある読者には、「事実」はプラスに働いていく。
私が伝えたいのは、このことなのである。
経済の矛盾が一挙に噴き出した時期であったと言える。
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